内視鏡下手術

ENDOSCOPIC SURGERY

良性の婦人科疾患 (子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣腫瘍など) や不妊症に対して、低侵襲で美容的に優れる内視鏡下手術 (腹腔鏡、子宮鏡、子宮ファイバースコピー、卵管鏡) を行っています。

腹腔鏡下手術を希望される方へ
当院には麻酔科の常勤医がおらず、術後に集中管理を要する可能性がある合併症をお持ちの方、他科との診療連携が必要な方の手術は行えません。検診などで異常を指摘されたことがある方、常用薬がある方は必ず申し出てください。下記に該当する方には高次医療施設での手術をお勧めします。
  • 高度肥満 (BMI 30以上)
  • 治療を要する他科疾患 (高血圧症、糖尿病、呼吸器疾患、肝機能障害、腎機能障害、血液疾患、心疾患、喘息、精神神経疾患など)
  • 主要な食物や薬剤に対するアレルギー

腹腔鏡下手術

ixm
  • 子宮筋腫、子宮内膜症、卵管閉塞・癒着、良性卵巣腫瘍、多嚢胞性卵巣症候群、月経困難症などさまざまな疾患に対して行います。これらの治療はもちろん、診断や検査的な意味も持っています。とくに不妊症では、子宮や卵管などの状態を確認することで、より良い治療方針を決めることができます。
  • 通常は全身麻酔で、お腹に炭酸ガスを入れてドーム状に膨らませた状態で、1〜数個の小さな穴からカメラや手術器具を入れて行います。開腹手術と比べてお腹の傷が小さいため、術後の痛みが軽く、短い入院期間で早く社会復帰できます。また、術後の癒着も少ないとされています。
laparoscopy
  • 3孔式手術:子宮内膜症・癒着など腹膜〜卵管の病変だけで、大きな腫瘤を摘出する必要がない場合は、臍と両側腹部の3ヶ所の小切開で行います。
  • 子宮内膜症病巣除去術
  • 癒着剥離術
  • 卵管切除術
  • 卵管開窓術
  • 卵管形成術
  • 多嚢胞性卵巣焼灼術
  • 異所性妊娠手術
SILS
  • 単孔式手術・2孔式手術:子宮筋腫や良性の卵巣のう腫を摘出する場合は、臍のみの切開、あるいは臍と右側腹部の切開で手術を行ないます。子宮筋腫が大きい場合は、術前にホルモン (GnRHアゴニスト) 療法を2〜3か月間行ない、筋腫を縮小させてから手術を計画することがあります。大きな腫瘤でも、臍から摘出することができます。
  • 子宮筋腫核出術
  • 卵巣嚢腫摘出術
  • 付属器切除術
LA
  • 腹腔鏡補助下手術:小さな穴だけでは手術が困難な場合や、既往手術創がある場合は、臍からカメラを入れて腹腔内を観察しながら、下腹部に2〜5cmの小切開を置いて、直視下に手術を行います。単孔式〜3孔式手術から、手術中に腹腔鏡補助下手術に変更することもあります。
  • 多発性筋層内子宮筋腫核出術 (多数の筋腫が深い場所にあり腹腔鏡では位置の同定が困難な場合)
  • 卵巣奇形種核出術 (毛髪や骨など固形成分の摘出が必要な場合)
  • 帝王切開後子宮瘢痕修復術 (帝王切開創の一部を切開して行います)
  • 手術の1週間前に、外来で術前検査(血液・尿検査、胸部レントゲン検査、心電図検査など)を受けていただきます。手術は金曜日の午後に行っています。前日または当日に入院していただき、経過が良好であれば翌週の月曜日 (術後3日目) 以降に退院できます。早めの退院を希望される方には状態をみて対応いたします。
  • 検査目的または侵襲が少ない手術の場合は、脊椎麻酔で行うこともあります。入院期間は1泊2日です。

経腟腹腔鏡検査・手術

  • 初期の子宮内膜症の疑い、卵管周囲癒着の疑い、あるいは原因不明不妊などの場合に、腹腔内の状態を観察する目的で行います。
  • 腟から腹腔内にファイバースコープを入れ、腹腔内を生理食塩水または糖液で灌流しながら子宮、卵巣、卵管などを観察します。脊椎麻酔か静脈麻酔で、日帰りまたは1泊入院で行います。
  • 月経後半〜終了直後に手術を行います。手術の1〜2週間前に、外来で術前検査(血液・尿検査、心電図検査など)を受けていただきます。

子宮鏡下手術

TCR
  • 粘膜下筋腫、大きな内膜ポリープ、子宮形態異常 (中隔子宮など) などに対して行います。
  • 腟から子宮にカメラを入れ、子宮腔を生理食塩水で膨らませながら内腔の病変を治療します。脊椎麻酔か静脈麻酔で、日帰りまたは1泊入院で行います。
  • 月経後半〜終了直後に手術を行います。手術の1〜2週間前に、外来で術前検査 (血液・尿検査、心電図検査など) を受けていただきます。

子宮ファイバースコピー

snear polypectomy
  • 粘膜下筋腫や子宮形態異常など子宮内腔の病変が疑われた場合の検査、内膜ポリープ、軽度の内腔癒着 (アシャーマン症候群)、帝王切開後の子宮切痕などの治療が適応です。
  • 腟から子宮の中にファイバースコープという細く柔らかいカメラを入れ、子宮腔を糖液で膨らませながら内腔を観察し、病変を治療します。ポリープはリング状の器具 (スネア) で切除します。通常は日帰り入院で局所麻酔下に行います。
  • 月経後半〜終了直後に行います。月経が開始したら来院していただき日程を決めます。

卵管鏡下卵管形成術 (FT)

FT
  • FTは、子宮卵管造影検査で卵管閉鎖と診断され、体外受精ではなく自然妊娠を希望される方が適応です。
  • 腟から子宮を通して卵管の中にバルーンカテーテルのついた非常に細いファイバースコープを入れ、バルーンカテーテルを膨らませることにより卵管閉塞を解除する治療です。静脈麻酔で、日帰りまたは1泊入院で行います。
  • 月経後半〜終了直後に行います。月経が開始したら来院していただき日程を決めます。

内視鏡下手術の実施件数

術式 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018
腹腔鏡 子宮内膜症病巣除去術 18 28 25 15 16 23 16
子宮筋腫摘出術 23 37 26 22 38 32 42
子宮付属器癒着剥離術 4 8 3 17 27 24 32
卵管口切開術 1 3 1 1 0 3 7
多嚢胞性卵巣焼灼術 1 8 2 5 2 0 2
子宮付属器腫瘍摘出術 15 9 9 7 7 8 10
卵管全摘除術 5 5 5 3 1 3 0
子宮外妊娠手術 0 1 2 3 0 0 0
帝切後子宮瘢痕修復術 0 1 2 2 0 0 1
検査・その他 1 0 0 1 0 2 0
子宮鏡 子宮筋腫摘出術 20 11 7 7 11 25 27
子宮中隔切除術 1 2 7 2 1 0 2
内腔癒着剥離術 1 2 7 5 2 6 1
内膜ポリープ切除術 25 18 19 12 11 11 8
その他 0 3 0 0 0 1 0
卵管鏡下卵管形成術 5 18 4 11 17 16 11