婦人科
GYNECOLOGY
婦人科がん検診、月経に関するトラブル、避妊、性感染症、更年期障害、ワクチン接種など、女性の生涯を通じてQOLを向上するための診療を行っています。
検査結果は郵送し、追加検査や治療の要否、次回の受診時期などを通知しています。
がん検診と精密検査
自治体のクーポン券による子宮頸がん検診のほかに、任意の子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん検診も行っています。要精検となった場合の精密検査も行います。
子宮頸がん予防ワクチン
ヒトパピローマウイルス (HPV) は、子宮頸がん、肛門や腟のがん、尖圭コンジローマなどを引き起こします。HPVワクチンはHPV感染によって起こる病気を予防するワクチンです。
子宮頸がんを防ぐため、小学校6年~高校1年相当の女子を対象として定期接種が行われています。定期接種の対象外でも希望する方には接種できます。
2〜3回の接種が必要で、接種間隔は多少前後しても問題ありませんが、1年以内の接種完了が望ましいとされています。
定期接種は公費で受けられます |
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ガーダシルは4種類のHPV (6/11/16/18型) に対する4価ワクチンです。中学1年生の間に1回目を接種し、その2か月後に2回目、さらに4か月後 (1回目の接種から6か月後) に3回目を接種して終了します。
シルガード9は9種類のHPV (6/11/16/18/31/33/45/52/58型) に対する9価ワクチンです。子宮頸がんの予防効果はガーダシルの65%に対し約90%に高まります。9〜14歳の間に1回目の接種を受ける場合は、その6か月後に2回目を接種して終了します。15歳以降に1回目の接種を受ける場合は、その2か月後に2回目、さらに4か月後 (1回目の接種から6か月後) に3回目を接種して終了します。 1〜2回目にガーダシルを接種した方でも、希望すればシルガードを接種できます。
月経のトラブル・移動
思春期以降の月経のトラブルについて検査や治療を行います。月経困難症や月経前症候群には、低用量ピルや漢方薬などを勧めています。
月経周期異常、とくに多嚢胞性卵巣症候群 (PCOS) については、診断基準や治療指針の作成にかかわった経験を活かして適切に対応します。
周期的ホルモン補充療法について低用量ピルについてPCOSについて
大切な行事に月経がぶつかりそうな場合は、低用量ピルを継続して月経を遅らせたり、中用量ピルで月経開始時期を変更したりすることができます。診療は保険適用外です。
手術前の1か月間はピルを服用できない場合があります。手術のための月経移動は、直前ではなくその前の月経を調節したほうがよいでしょう。
避妊・緊急避妊
低用量ピル
エストロゲンとプロゲスチンの合剤です。月経2〜5日目から毎日1錠を服用します。1シートをのみ終わる頃に少量の軽い月経が起こります。服用中は排卵が止まり、のみ忘れがなければ避妊効果は99%以上です。血栓症のリスクがあるため、問診票でリスクをチェックしてから処方します。
子宮内避妊器具 (IUD)
子宮内に挿入する避妊器具で、受精卵の着床を阻害します。避妊効果は約99%です。プロゲスチンを放出して避妊効果を高めるミレーナもあります。月経が始まったら挿入し、3〜5年ごとに交換します。
卵管結紮術
卵管を切断して縛る避妊法で、将来的に妊娠を希望する可能性がない場合に行います。
緊急避妊
妊娠を望んでいないのに無防備な性交をしてしまった場合や、コンドームが破れるなど避妊に失敗した場合などに行います。通常、緊急避妊専用のピルを性交から72時間 (最大120時間) 以内に1錠服用します。
緊急避妊の効果は100%ではありません。現時点で妊娠を希望していない方には、緊急避妊をきっかけに低用量ピルやIUDを勧めます。
オンライン漢方相談
ウィメンズ漢方の薬剤師によるオンライン漢方相談を行っています。
妊活中の男女のほか、月経不順 (PCOSを含む)、月経困難症、月経前症候群などの婦人科疾患、冷え性、便通の異常、頭痛や肩こり、慢性疲労など、さまざまな症候に対応します。気軽にお申し込みください。
人工妊娠中絶
妊娠22週未満で妊娠を継続できない場合は、母体保護法に基づいて人工妊娠中絶手術を行います。
妊娠12週未満は、日帰り入院で静脈麻酔または局所麻酔下に吸引法で行います。
妊娠9週0日以内であれば、薬物を用いた人工妊娠中絶を選択することもできます。妊娠の維持を止める薬を服用し、その2日後に日帰り入院して子宮収縮薬を服用します。麻酔や手術によるリスクが高い方や、手術を希望しない方に行います。
妊娠12週以降は、子宮口を広げてから子宮収縮薬を用いて娩出させるので4〜5日間の入院が必要です。
風疹・麻疹ワクチン
風疹抗体価が低い方に、風疹と麻疹の混合ワクチン (MRワクチン) の接種を勧めています。自治体による助成制度もあります。
接種により95%以上の方で抗体が陽性になります。接種から2カ月間は避妊が必要です。
ブライダルチェック
結婚を控えた女性や近い将来に妊娠を考えている女性のための健康診断です。ご自身の健康管理はもちろん、妊娠した場合の胎児への影響の予防にも役立ちます。
検査は保険適用外です。検査項目を追加することもできます。
腸内細菌検査
腸内細菌叢 (フローラ) のバランスが崩れると、さまざまな疾患が引き起こされる可能性があります。
腸内フローラチェックプレミアムは次世代シーケンサーを用いて腸内細菌のDNAを網羅的に調べます。検査費用は28,600円 (保険適用外) です。
クリニックで検査キットを受け取り、自宅で採便して提出していただきます。腸内フローラに問題があった場合はサプリメントを処方します。
ミネラル・有害金属検査 (オリゴスキャン)
人体は60以上の元素からできています。そのうち96%は酸素、炭素、水素、窒素の4主要元素で、他が「ミネラル (無機質)」です。生命維持に欠かせない「必須元素」は5大栄養素のひとつです。
ミネラルは体内で作られず食事から摂取しなくてはなりません。過不足を生じると健康を維持できなくなります。身体に有害な金属元素もあります。
OligoScan (オリゴスキャン)は、手のひらをスキャンして体内のミネラル20種類と有害金属14種類の濃度を測定します。満2歳以上であればどなたでも検査を受けられます。検査費用は9,200円 (保険適用外) です。
ミネラルバランス、酸化ストレス、抗酸化力、体の状態などが報告されます。不足しているものは食事やサプリメントで補います。
アミノインデックスリスクスクリーニング
血中のアミノ酸濃度は一定に調節されており、病気で代謝が変わると変動します。アミノインデックスリスクスクリーニング (AIRS)は血中アミノ酸濃度を測定して数種類のがん (胃・肺・大腸・膵臓がん、男性の前立腺がん、女性の乳がん、子宮・卵巣がん)、脳心疾患、糖尿病、認知機能低下などの罹患リスクを評価する検査です。
午前中に絶食で採血します。検査費用は22,000円 (保険適用外) です。